1月9日に桃園県2区、台中県3区、台東県の3つの選挙区で実施された立法
委員(国会議員)補選は、野党の民主進歩党(民進党)が3戦全勝した。
桃園県第2選挙区(大園、観音、新屋、楊梅)
(投票率38.42%)
郭栄宗(民進党)58.1% 53633票
陳麗玲(国民党)40.0% 36989票
彭添富(無所属)
1.9%
1760票
台中県第3選挙区(太平、大里)
(投票率45.09%)
簡肇棟(民進党)55.0% 63335票
余文欽(国民党)45.0% 51776票
台東県選挙区
(投票率39.44%)
頼坤成(民進党) 49.5% 23190票
[廣β]麗貞(国民党)45.3% 21215票
洪銘堅(無所属)
5.3%
2482票
今回の補選は、桃園と台中が前回の立法委員選挙の選挙不正で国民党籍の立法
委員が当選無効となったことと、台東県選出の国民党籍の立法委員が台東県長に
出馬する際に議員辞職したことにともない欠員補充のため行われた。台東県選挙
区は、県長再任の国民党党公認が得られなかった[廣β]麗貞・前台東県長を国民
党が公認としたということもあり人気がなく、ほか買票など選挙不正による当選
無効でやり直し選挙の桃園、台中と合わせて、いずれも民進党が有利な状況であ
った。
桃園県2区は桃園国際空港の周辺の海岸沿いの地区と楊梅鎮。海岸沿いの大園
、観音、新屋はもともと民進党が強いが、人口が比較的多い楊梅は国民党が強い
ので、勝負は5分5分と見られていたが、投票結果は楊梅も民進党が辛勝し、選
挙区全体では民進党が58%を獲得し圧勝した。
台中県3区は、もともと国民党の基盤が強い地区であったが、太平では国民党
候補が若干リードしたものの、大里で民進党が62%獲得し、全体では民進党候補
が55%獲得して逆転勝利した。
台東県は、これまで国民党の基盤が固い地区であったが、民進党の簡は、人口
が比較的多い台東、卑南、鹿野、池上、太麻里などで国民党候補をリードし、49.5
%で今回始めて民進党候補が勝利した。
結果的にもともと国民党が占めていた3選挙区すべて民進党候補が逆転勝利し
たことで、国民党の退潮がいよいよ明らかになった。投票率の低さと得票数から
見て、前回国民党に投票した人の多くが今回投票に行かなかったことがわかる。
このように、国民党支持者からも国民党は見放されつつある。もともと国民党が
強かった選挙区で民進党候補が当選したことにより、年末の直轄市長選挙も民進
党に追い風が吹いてきた。
国民党の敗北の最大の原因は、相変わらずの買票などの不正選挙に有権者の嫌
気がさしたというほかにも、馬英九政権が米国産牛肉輸入問題のように、アメリ
カと秘密裡の交渉で台湾の国益を守らない協定書を結んでしまったことが、中国
との経済協定を結ぶ際にも秘密裡の交渉で決定されて台湾の国益を損なうことに
なるのではないかということを連想させ、その不信感が急速な国民党離れを招い
たとみられる。
桃園県、新竹県、嘉義県、花蓮県選出の立法委員が県長に当選したことによる
4選挙区の補選が2月27日に行われる。県長当選による欠員は国民党3、民進党
1であり、国民党が有利な情勢となっている。民進党は1選挙区を死守したうえ
で、2~3選挙区の当選を目指す。
- Jan 14 Thu 2010 19:55
【民進党圧勝】立法委員補選分析
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