台灣之聲

十月一日に建国六十周年を迎える中共政権だが、これが六十年間において行ってきたのが周辺諸民族の征服、支配である。そこでそれに抗議を行うべく、東京と大阪では九月二十六日、チベット・モンゴル・ウイグル三民族連帯のデモが行われた。

参加したのは日本に居住する（あるいは亡命した）これら三民族と、その独立を支持する日本人、そして在日台湾人だ。日本人も台湾人も三民族の悲劇的状況は他人事ではない。中共膨張の矛先は、今や東に位置する台湾、そして日本に向けられているからだ。

私は東京でのデモに参加したが、三百人はいただろうか、六本木の三河台公園から中国大使館付近の笄公園までのおよそ四十分の道のりを、大シュプレヒコールで力強く進んだ。

ところで私は現地で、あることを思い出していた。

今年七月に世界ウイグル会議のラビア・カーディル議長が来日する際、中国各紙が日本でのウイグル人支持の動きに警戒を呼びかける記事を掲載したことをだ。

記事のタイトルは「日本右翼は暗中で台独・蔵独・疆独を支持し、中国に対抗しようとしている」。そこでは日本問題の著名コメンテーターである御用学者、劉江永教授の次の言葉が載っていた。

「近年、日本の右翼勢力は台湾独立問題で挫折したため、チベット独立、新疆独立の問題をさらに重視するようになった。この勢力は新疆独立勢力との連絡が緊密だ。拠点や人数は少ないが、しかし勢力を保っている」。

「台湾独立問題で挫折した」云々は勘ぐりすぎだが、いずれにしてもこれは、中共の関心が奈辺にあるかを十分に言い表すコメントである。

しかもその関心の度合いは、日本人が想像する以上に大きいらしい。実は中国が警戒するラビア・カーディル氏の来訪問題は、今現在台湾でも起こっている。独立派グループである台湾青年逆転本部が来台を招聘し、結局は中国の怒りを恐れる国民党政権が二十五日、ラビア氏は「テロ組織と関係がある」との中国の宣伝そのままの理由で入国を拒否する方針を決めてしまったとの騒動に発展しているのだが、その過程で蔡得勝・国家安全局長はこう述べている。

「中国が最も恐れているのは、台湾独立、新疆独立、チベット独立の“三独合一”だ」と。

要するに中共は、自分たちの最も恐れる民族独立運動を支援しようとしている「日本右翼勢力」（反中国の強烈な日本人の意）の擡頭を警戒しているのである。

そしてその「勢力」が、まさにこの日のデモに結集した人々に他ならないと言うわけだ。昨年始動したばかりにつき、まだまだ日本国内では認知度が低い運動ではあっても、中国側はしっかりとその動向を注視しているのである。

ところで、なぜこうした運動を、中共はそこまで警戒するかと言えば、理由は簡単である。

日本人が中共の反民主、反人権的な諸民族への侵略、弾圧、迫害、虐殺行為の存在を国際社会に向けて訴え続けるなら、中共の膨張政策は国際世論による抑止、妨害を受けることになるからだ。

中共の膨張・侵略政策の柱は「暴力」と、それを正当化するための「宣伝」の二つだが、その「宣伝」が世界に跳ね返されれば、それだけで大ダメージとなるのである。

この日の集会とデモは、まさに中共政権のアキレス腱を突くものである。その「勢力」はいまだ小なりとは言え、その一方で、その行動、その訴えを肯定し、呼応するであろう広範な日本の世論、さらには国際的な世論が控えていると言うことを、中共ははっきりと認識している。だから、怖い。

しかも怖いのは、それだけではないと思う。デモでは南モンゴル独立勢力も参加した。中共は「国内」でこの勢力がすでに消滅していることに安心してきたが、国外では健在であることを知り、おそらくそうとう狼狽しているはずだ。

人数は少数でも、それを日本人などの支援を受けつつ、チベット独立、新疆独立の勢力と連帯したとなれば、それだけで重大な脅威となるからだ。

だからこの日の動きを中共は「恐るべし」と感じていないわけがない。しかし本当にこの運動が本物の脅威に成長して行くには、さらなる日本人の理解と参与が必要なのは言うまでもない。

いま、日本が求められているのは、東アジア共同体などの形成ではなく、アジア諸民族の解放運動の策源地となることだ。

私は今回の行動を参加し、結集した日本人たちの、何の見返りを求めることなく立ち上がる姿を目の当たりにし、それは可能だと確信している。「アジア解放」を求めて闘ってきた先人のＤＮＡは、今日もしっかりと継承されている。

三民族に日本人、台湾人を加えた五民族連帯の反中共運動を。

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チャンネル桜の報道動画

【中共断罪！】ウイグル・チベット・南モンゴル三民族連帯集会＆デモ [桜H21/9/28]

http://www.youtube.com/watch?v=iQIBijYq7yg