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●水害救助で無能さを露呈した馬英九

 八月八日、台湾の南部に上陸した台風八号が深いツメ跡を残した。死者、生き
埋めに遭う行方不明を含め、600名以上の犠牲者を出した。上陸前、米国のC
NNが「台湾は嘗てないほどの雨量に見舞われる」と異例の警告を発したが、当
日夜、馬英九総統は酒宴を楽しんでいた。そしてその後三日間は、救助命令も出
さずに姿をくらました。この初動体制の遅延で被害が拡大し、数百の人命が失わ
れた。その後アメリカからの救助の申し入れを断りながら、中国からの援助を即
決で受け入れた。更に外国の援助を断るようにと各国駐在の代表機関に指令を出
したが、それがマスコミに暴露されると「外国へ援助を求める」と姿勢を一転さ
せた。国民党党首に選出されたばかりの馬英九は、まるでパニックに陥った幼稚
園児のようであった。

●台湾に愛情のかけらもない馬英九

 馬英九政権は無能なだけではない。夥しい被災者が首を長くして救助を待って
いる最中、何と劉兆玄行政院長(首相)と薛香川秘書長(官房長官)は、それぞ
れが高級料理屋で父の日を祝っていた。日本での援助の窓口である馮寄台駐日代
表(大使)も家族と欧州旅行へ。ようやく被災地に視察に現れた馬英九は被災者
に、「私と会いたいというから、きてやったよ」と言い、父親が犠牲になったと
涙ながら訴える家族に「あ、そう、私の父親も亡くなっているよ。(四年前に)」
とブラックユーモアを口にした。現場でCNNのレポーターに救助の遅延に突かれ
ると、「大雨のせいで救助命令を出せなかった」「気象局の責任だ」などといい
放つ一方、生き埋めになった犠牲者には「彼らが疎開しないから」と、冷血ぶり
を遺憾なく発揮した。

●洪水に流されたECFA
 
 今回の水害で、馬政権の「無能と冷血」の一面が世界に知られる結果となり、
馬英九神話のメッキも完全にはがれ落ちた。CNNを含め、国内外のマスコミの
世論調査では「馬英九は辞任すべき」との回答が八割に上り、親国民党メディア
で知られるTVBSによる8月19日発表の世論調査でも、馬英九の支持率は1
6%へと急落した。因に2ヶ月前の支持率は47%だった。馬政権の災害発生後
の対応の遅さと責任の逃れの失言の連続が、台湾国民の反感を買った格好だ。そ
れでも馬英九は、予定通り対中国経済一体化のECFA(経済協力骨格協議)を
進めると公言しているが、この支持率では体制外抵抗運動を抑圧することもでき
そうにない。神の意思か、この水害は、台湾を「中国」という更なる災難から救
うことになったのだ。

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