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 チベット東部に生息するジャイアントパンダという動物には罪はないが、中国
による台湾併呑の道具として政治利用されてしまったために、台湾でパンダの受
け入れを歓迎できないムードが広がっている。

 12月23日、チベット・アムド地方ガワ(中国四川省アバ・チベット族チャン族
自治州)の「団団」(トアントアン)と「円円」(ユエンユエン)と名づけられ
た2頭のパンダが台湾に贈られた。台湾側は長栄(エバー)航空の専用機を用意
して四川省成都までパンダを迎えに行き、同日午後5時過ぎに2頭のパンダが台
湾桃園国際空港に到着し、台北市木柵の台北市立動物園に運ばれた。パンダは一
ヶ月間の検疫期間を経て、来年1月下旬の旧正月頃に一般公開される予定となっ
ている。

 国際的には「ワシントン条約」(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取
引に関する条約=CITES)でジャイアントパンダを含む絶滅危惧種の国際取引が制
限されているのだが、台湾側はパンダを受け入れるかわりに台湾の希少動物であ
るタイワンカモシカとタイワンハナジカ(台湾梅花鹿)を中国に寄贈することで
、「希少動物の交換」という形にすることでワシントン条約の制限をクリアでき
ると解釈していた。

 ところが、ワシントン条約事務局は、今回のパンダ寄贈を「中国国内の取引」
と見なし、通報する必要もないとの見解を示した。

 台湾の行政院大陸委員会は「CITESは国連に属する国際組織。台湾は国連加盟国
ではない。CITESは国連の一貫した主張に基づいて見解を発表しただけであり、台
湾がどうにも動かせるものではない」との苦し紛れのプレスリリースを発表し、
中国が「TW
TAIPEI(台湾台北)」への輸出許可証を発行し、台湾が通関手続きを行っている
ことなどの理由から「国内取引」であることはとりあえず否定した。

 パンダが中国による統一攻勢に利用されることに危機感を抱く野党の民主進歩
党(民進党)は、馬英九総統(大統領)が直ちに外交ルートを通じて厳しく抗議
するよう求めたが、馬総統は「両岸は当然国と国の関係ではない」という持論を
相変わらず主張しており、馬総統はCITESに「国内取引」と見なされたことに対し
て特に反応を示していない。

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