利益誘導も脅迫も利かない「日本右翼」を恐れる中共
―機密文書が明かす覇権戦略のウィークポイント
 
(付:2・13「反中共決起集会」の参加呼びかけ)


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■トウ小平から台湾併呑を遺嘱された胡錦濤の戦略   

二〇〇八年六月、胡錦濤総書記が召集した中共政治局拡大会議で可決された「台湾問題解決の政治戦略」などの機密文書は、台湾の「平和統一」(協議を通じた武力を用いない併呑)を達成する戦略を詳述するもので、併呑達成の時期を台湾で国民党政権の続投を問う総統選挙が行われ、中国でも胡錦濤の任期が切れる二〇一二年としている。

そしてこうした文書を暴露したのが、昨年台湾で出版された『台湾大劫難』だ。中共中枢の事情に詳しい亡命中国人作家、袁紅氷氏の著書である。台湾の政界、社会に大きな衝撃を与えている。

「その内容は捏造だ」と中共は罵倒声明を発表している。だが少なくとも現台湾の国民党政権が中共の籠絡と操作を受け、その影響下へと引き込まれつつある現状が、これら「機密文書」のシナリオと基本的に符合していることから、中共が反撥すればするほど、逆にその信憑性は高まるばかりである。

これまで本ブログでもその内容の一端を紹介してきたが、今回は日本にも大きく関わる部分について言及したい。

同書によれば、そもそも胡錦濤が「平和統一」を目指すのは、一つはチベット人弾圧で功績を上げた彼が、独裁政権を維持するために台湾併呑を達成するよう、トウ小平から遺嘱されているためだ。台湾の民主主義制度は、中共の専制体制にとってはとてつもない脅威なのである。

そしてもう一つは「武力統一」で実権を握りたい軍部や、それと強い絆を持つ「太子党」勢力から政権を防衛するとともに、自らの功績を歴史に刻むためである。

■米国との「利益交換」―着々と進む中国外交部の策略

さて言うまでもなく、台湾を「統一」するためには、国際社会、とくに台湾を防衛する日米同盟による干渉は回避しなければならない。そこで胡錦濤は前記の会議において、この戦略に「有利な国際環境」を作り出すため全力を傾けろと、外交部に指示したそうだ。

そこで外交部はこれを受け、中国の核心的利益に関わる台湾問題において日米側から譲歩を引き出す外交策略方案を制定した。

そしてまず米国に対しては、同国の核心的利益に関わる問題で譲歩するとの「利益交換」を進めている。たとえばこれまで中共が影響力を行使してきたイランや北朝鮮の問題で譲歩し、米国を台湾問題から手を引かせようとしている。

もっとも台湾では、「米国がやすやすと台湾から手を引くわけがない」との理由で、この本の信憑性に疑問を投げかける言論もあるようだ。しかし「九・一一」以降、中東問題で手一杯となった米国が、北朝鮮問題で中共の協力を仰ぎ、その代わりに台湾問題で中共に妥協姿勢を強めていることは周知の事実である。

■台湾併呑に反対する「日本右翼」の世論への影響だけを懸念

他方、日本に対しては「利益誘導」を主とし、「脅迫」を従とする戦略だ。

「台湾問題解決の政治戦略」に基づき、その翌月に策定された「対日外交策略方案」によると、「東支那海ガス田問題での譲歩」「北方四島での日本の主権支持」「エネルギー、レアメタルの日中貿易における日本への有利な調整」「尖閣諸島領有問題での譲歩」「日本の国連安保理常任理事国入りの動きへの支持」と言った対日譲歩を行うとともに、「北朝鮮の核とミサイルで脅威を形成」「中国民衆の反日感情で対中投資を脅かすなどで経済利益にダメージを与える」などの脅迫も行うことを目論んでいる。

もっとも「対日外交策略方案」は、日本は米国が台湾問題の上で外交姿勢を大きく変化させれば、日本はそれに従うだろうとの楽観的な見方を示し、次のように分析する。

「日本外交の戦後半世紀での特徴は、イデオロギー問題を重視しないこと。中国の民主化問題に対しても積極的ではない。また既成事実を受け入れる理性的傾向がある」

「日本にその他の問題で利益を与えて満足させ、台湾問題で敵対すれば取り返しの付かない損害を与えると教えれば、日中双方に有利な選択をさせることに成功するだろう」

このように日本の政界、財界の特質をはっきりと見抜いているわけだが、ただここで「注意が必要」だと指摘するのが「日本右翼の態度」だ。

「右翼勢力は中共の台湾問題解決には断固反対するだろう。そしてその態度が変わる可能性は低い。この態度が日本の世論に大きな影響を与えるものと見られる」と。

ちなみに中共が日ごろから警戒する「日本右翼」とは、「中国にノーを言える強い日本の復活を求める日本人」のことだ。「普通の国」の再建を訴える自民党の政治家や民間の言論人、そしてそれらを支持する世論など、中国の恫喝にも屈しない保守派日本人の勢力を指す。

■胡錦濤の陰謀―「日本右翼」と「台湾皇民」を躍らせる

しかし外交部筋によると、この「方案」の報告を受けた際に胡錦濤は、「日本右翼」の動向にも楽観的だと言う。

「日本右翼の極端勢力と、台湾の一部の皇民コンプレックスを持つ人々は日本と台湾の統一を主張しているが、これは我々の台湾問題には無害であり、むしろ有利だ」と述べたそうだ。ちなみに「皇民コンプレックスを持つ人々」とは、日本統治を受け、中国人意識を忘れて日本人化した台湾人たちのことだ。

これら日台双方の勢力の動きは中共に「有利」だとした理由は、

―――台湾が中国に回帰したのは第二次世界大戦で正義の力が勝利した結果であり、米ソ英主導の協議で確定したものだ。従って日本の極右勢力の主張は米国の支持を得ることはなく、国際社会の賛同を得ることもない。逆に米国の反感を買ってトラブルメーカーと認定されるだろう。

―――我々の台湾問題解決での国内での基礎は中国人民の愛国主義だ。日本の中国侵略の記憶はなお鮮明で、日台統一の主張は必ず中国人民の憤怒を買い、愛国主義がさらに激発されれば、台湾問題解決の政治的基礎はさらに強化されることとなる。

胡錦濤はこのように論じ、外交部に以下の指示を下した。

―――我々は日本極右勢力の主張に圧力をかける行動は一切しない。支持表明をすることはないが、隠蔽された方法で彼らの主張宣伝を鼓舞するべきだ。

―――台湾の皇民勢力に対しても同様の策略で、親日言論を鼓舞する。言論は極端で情緒化するほど好ましい。彼らの猖獗すればするほど、我が国内十三億の人心を団結させることができ、国際的な同情と支持を集めることができる。

これは明らかに胡錦濤の陰湿な陰謀である。

■「日台統一」「台湾の再殖民地化」を求める日本人などいない

ただ中共の弱点も、ここにおいて見出すことができそうだ。

そもそも日台で「日台統一」を求める言論がどこにあるだろうか。

「日本右翼」の間では台湾の「独立建国への声援」「国家主権の防衛」「民主主義の支持」「中国の領土化反対」は叫ばれても、「台湾併合」の主張など見られない。

また台湾においても、戦後の中華民国(中国人政権)による残虐、腐敗の台湾支配に喘いだ元日本国民の世代の多くが、台湾の日本領土への復帰を望んだのは事実だが、しかしそうした声が政治、社会に影響を及ぼしたことなど一度もないのである。

中国人が「皇民」の代表として憎悪する李登輝元総統に至っては、台湾の新国家樹立を求める急先鋒だ。

これまで中共やその御用学者は、「台湾皇民」と結託して台湾を再び殖民地にするとの「日本右翼」の「陰謀」なるものを、事あるごとに指摘してきた。

ただこの噴飯物の陰謀論にも一理はある。

要するに日本の保守派や台湾の独立派が、日本が再び軍事強国となり、台湾をその勢力下においてでも、中共の東アジアへの膨張に断固対抗することを目指すのは当然であると中共は警戒しているのだ。

胡錦濤もこうした動きを「日台統一」の動きだと宣伝したいのだろう。

だが国際社会の「同情と支持」を本当に集めることができるのは、中国の台湾「併呑」より、それに抵抗する日台の「連帯」の方ではないだろうか。

■「日本右翼」の真実の言論に中共が手を出さない理由とは

胡錦濤が「日本右翼」と「台湾皇民」の動きを放置せよと指示したのには、放置せざるを得ない理由があるのではないかとも思われる。

つまりむきになって相手にし、かえって自分のボロが出てしまうことを恐れているのだ。

そもそも胡錦濤が「台湾が中国に回帰したのは米ソ英主導の協議で確定したもの」とするのは歴史捏造である。

第二次大戦後、米英は台湾が日本から中国(中華民国、あるいは中華人民共和国)に「回帰」することを認めなかったのである。つまり五二年に発効したサンフランシスコ講和条約で日本に台湾を放棄させたものの、その新たな帰属先は未定のままにしたと言うのが事実なのだ。

もっともその一方で、中共が建国以来の六十年この方、一日も欠かすことなく「一つの中国」と言う国際宣伝謀略を行ってきた結果、世界各国は「台湾の地位未確定」の事実を忘れてしまっている。あるいは中国との関係を配慮し、忘れたふりをしていると言う現状もある。

そしてその現状を前提に胡錦濤は、「統一」にとってさらに「有利な国際環境」を作り出そうとしているのだが、ここで「台湾は中国の一部」を否定する「日本右翼」「台湾皇民」の主張に反撥してしまえばどうなるか。

チベット問題と同様、台湾の帰属先の問題は世界の関心と注目を集め、「台湾の地位未定論」が中共の「アキレス腱」をなって浮上するのは必然である。「一つの中国」の原則が疑われ、そして否定され、「統一」戦略に「不利な国際環境」が形成される事態になるだろう。

実際に二〇〇八年、台湾の陳水扁総統が英紙フィナンシャルタイムズを通じ、台湾の中国「回帰」は歴史捏造だと訴えたとき、それまで同総統の言動を目の仇にしてきた中共は、これを黙殺している。もちろんこれは「隠蔽された方法で主張宣伝を鼓舞」するためではなく、歴史事実が世界で明らかになり、六十年来の対外宣伝工作が覆されることを恐れたからである。

■攻撃しなければ「アキレス腱」は痛くない

台湾が中国に「回帰」しなかった以上、「回帰」を根拠に台湾併呑を正当化する中共の国家戦略は、不法な対外領土拡張の謀略として、国際社会が阻止すべき対象となる。それが「台湾の地位未定論」が中共の「アキレス腱」である所以である。

だがこの真実が日本国内でほとんど知られていないのは、政府が中共の逆鱗を恐れ、公の場で言及を避けてきたからなのだ。

事実、昨年五月に台湾駐在の日本代表、斎藤正樹氏が「台湾の地位は未確定」と発言したところ、中共は狼狽して駐中国大使館に厳重な抗議を行ったが、政府は発言を個人的なものだとして擁護しなかった。

台湾でも「未確定論」が知られていないのは、中華民国政府が中国政権としての台湾支配の正当性が否定されるのを恐れ、それをタブーとしているからだ。同政府も中共と同様、斎藤氏には、会見ボイコットと言う制裁を加えると言う異常な反応を示している。

そこで我々は二月十三日には都内において、下に掲げる要領で「中共の台湾併呑阻止!日台共闘決起集会」を開催することとなった。中共の言うところの「日本右翼」と台湾独立派との共催である。

目的は中共に「不利な国際環境」を作り出すことにある。「台湾の地位未確定論」を日本、台湾の世論に宣伝して「常識」として確立し、さらにはやがて国際社会にも伝え、中共の台湾併呑戦略を抑止する運動を本格化させる計画だ。

もしこれによって「中国人民の憤怒を買い、愛国主義がさらに激発」されるなら、その人民の不満が台湾問題を「解決」できない中共へと向い、それが中共解体への一歩にでもなれば、これに優る幸せなしとするのが、我々の台湾問題解決のための「方案」と言ったところだ。

こうした運動のほかにも中共の謀略、戦略に対抗できる「方案」はいくらでも考えられるはず。

だから「日本右翼」は一層の奮起を!中国外交部が懸念するように「日本の世論に大きな影響を与え」て行こう!台湾が中国に併呑されれば、次は日本が危ない。

「アキレス腱」は、攻撃があって初めて弱点となるのである。

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2・13 中国の「台湾併呑」阻止!日台共闘決起集会

台湾併呑のため、すでに無制限戦争を遂行している中国。そしてこの生命線の島の危機に無為無策なのが日本だ。中国は軍事と言う物理的手段とともに、情報戦等々の非物理的手段をも行使している。
例えば併呑を正当化するため、「日本の中国への台湾返還」を以って「一つの中国」を宣伝し、国際世論の反対を抑え込む「法律戦」も有効なるその一環。これに対して日本政府は、昨年の斉藤駐台代表事件で見られた如く、「返還はない」との法的事実(台湾の地位未確定論)を、中国を恐れて敢えて表明できずにいる。
従って国民一般も「一つの中国」の束縛からいつまでも脱却できないままだ。これで台湾有事の際、果たして日本は日米同盟の一員として戦うことができるのか。
日本に対する中国の軍事的「脅威」は、「台湾」から襲来する。しかし「台湾」は同時にまた中国共産党政権の「アキレス腱」でもあるのである。
そこで無制限戦争に対抗する国民反中運動を強化、拡大すべく、以下の要領で日台共闘の決起集会を開催する。ふるって参加を!

【日時】2月13日(土)午後6時~8時半
【場所】文京区民センター3Fホール
(地下鉄「春日駅」「後楽園駅」スグ。文京シビック斜向かい)

【講演】
西村真吾氏(前衆議院議員)「日台同盟がアジアの未来を拓く」
藤井厳喜氏(国際問題アナリスト)「東アジアの動乱と無制限戦争の時代」
水島 総氏(日本文化チャンネル桜代表)「進行する中共の対日本・台湾情報工作」
永山英樹氏(台湾研究フォーラム会長)「中共の宣伝戦を破る『台湾の地位未確定論』」

【参加費】1000円
【主催】日本李登輝友の会、メルマガ「台湾の声」、台湾研究フォーラム、
台湾独立建国聯盟日本本部、在日台湾同郷会

【問合せ】日本李登輝友の会 03-3868-2111 info@ritouki.jp

■2月28日(日)には毎年恒例の「2・28台湾防衛デモ」を都内で実施し、台湾防衛、三民族解放を訴える計画。

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