「台湾の声」編集長 林 建良(りん けんりょう)

 台湾は「 Taiwan 」ではなく「 Chinese Taipei 」の名でロンドンオリンピックに参加している。この名称は1981年に国際オリンピック委員会が協議して決めたもので、台湾を国として認めない中国の圧力を受けた結果だ。

 中華民国体制下では、国家代表チームを「台湾チーム」ではなく「中華チーム」と呼ばせていた。その呼び方は民進党政権の時も変わっていない。台湾人の物事を深く考えない性格からか、「中華」の二文字に台湾人は何の抵抗もなく素直に受け入れているようだ。

 「Chinese Taipei」は中国語で「中華台北」と訳されているが、よく中国の圧力で「中国台北」にされることがある。その場合、例外なく台湾人は猛烈に抗議をする。それが微妙なところなのだ。台湾人からすれば「中華」は文化的表現であって、「中国」には政治的色が帯びる。

ゆえに「中華」は良いのだが、「中国」では我慢ならない。

 ところが、英語には「中華」と「中国」の区別はなく、「Chinese Taipei」を「中国台北」とも「中国の台北」とも訳せるのである。

 だが台湾人はやはり、自分の国を「台湾」と呼んでほしい。

 ヤフー台湾はロンドンオリンピックに関する記事に、「台湾チーム」を「中華台北」と表現した。勿論抗議が殺到した。外国語版のヤフーが「台湾チーム」を「Taiwan Team」と表記しているのに、何故肝腎の台湾ヤフーが「中華台北」にするのだと。あまりに凄まじい抗議で、台湾ヤフーは「中華台北」をやめ、「台湾」に改めることでしか事態を収拾できなかったのだ。

「中華」とは台湾に重くのしかかっている呪いである。
台湾を台湾と呼べる日は来るのか?

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