先にご案内のように、本日午前、在留カードの交付が始まった。今朝の東京入国管理局
前には在留カードの交付を受けようとする在日外国人の方々が約70人から80人ほどが朝7時
くらいから並び始めていた。その中に、台湾出身の連根藤氏や政策研究大学院大学や早稲
田大学への留学生も並んでいた。

 マスメディアの関心も高く、日本メディアはNHKやフジテレビなど、台湾メディアは
中央通信社や台湾テレビ、中国時報、台湾新聞などが取材に訪れていた。

 申請が終わり、午前10時過ぎ、まず政策研究大学院大学の博士課程に留学中の院生に対
して交付された。恐らく台湾出身者として第1号の交付だろう。続いて連根藤氏に交付され
た。「台湾、万歳」と叫ぶ声も聞こえてきた。2人とも「国籍・地域」欄に「台湾」と記さ
れた在留カードを見ながら晴れやかな笑顔でマスメディアの取材に応じていた。

 外国人登録証明書(外登証)の国籍欄に、台湾出身者が「中国」とされていることの改
正を求めたのは2001年6月、李登輝元総統が来日された直後だった。台湾正名運動が始まっ
た。それから足掛け12年目にして台湾出身者が「台湾」と表記された「在留カード」の発
行となった。

 決して短くはなかった道のりを振り返るため、下記に「台湾正名運動の歩み」をご紹介
したい。

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 台湾正名運動の歩み 【2001年6月11日~2012年7月9日】

【2001年・平成13年】
06月11日
 林建良氏(在日台湾同郷会会長)が在日台湾人の外国人登録証明書の国籍記載を中国か
 ら台湾に改めることを求めて「正名運動プロジェクトチーム」を発足。

【2002年・平成14年】

03月16日
台北市内で「世界台湾人大会」が開かれ、テーマが「台湾正名・国家制憲」とされ、台湾
正名とは中華民国を台湾の名に正名することと理解されたことから台湾社会に急速に正名
運動が広がる。

04月23日
外登証問題で、西村眞悟・衆院議員が法務委員会において質疑。森山真弓法相は「外国人
登録法を昭和27年に制定して以来、台湾出身者は『中国』と表記。これは昭和47年9月の日
中国交正常化の前も後も変わっていない」と答弁。

05月11日
台北市内で「511台湾正名聯盟」の呼び掛けにより3万5千人がデモ行進に参加。李登輝元総
統も支持を表明。台湾正名運動が本土派社会運動の主流に。

【2003年・平成15年】

06月01日
外登証問題で、日本李登輝友の会が第1回総会にて「外国人登録証明書における国籍表記問
題の解決」を可決。以後、台湾正名運動を展開。

09月01日
中華民国のパスポートに「台湾(TAIWAN)」を付記。

【2004年・平成16年】

02月28日
2・28事件記念日のこの日、李前台湾総統の呼びかけにより台湾で行われた「228台湾手護
運動」に呼応、「台湾正名運動アピール行進」を東京・新宿周辺で挙行。

【2005年・平成17年】

06月24日
地図帳問題で日本李登輝友の会が帝国書院と東京書籍に記述訂正を要求。

10月10日
地図帳問題で「台湾を中国領と教える社会科地図を許すな!」緊急国民集会。

10月31日
地図帳問題で、笠浩史・衆院議員が質問主意書を提出。

11月27日
田久保忠衛氏が産経新聞「正論」に「安易に過ぎる台湾の地図上表記」を執筆。

【2006年・平成18年】

09月06日
中正国際空港を「台湾桃園国際空港」に正名改称。

12月23日
外登証問題で、日本李登輝友の会が「日台共栄の夕べ」において「外登証と台湾表記に関
する政府への要望決議」を採択(翌年3月16日、小田村会長らが自民党の日台若手議連の岸
信夫会長に手交)。

【2007年・平成19年】

02月12日
台湾の中華郵政が台湾郵政に正名。同時に「中国造船」が「台湾国際造船」に、「中国石
油」が「台湾中油」に正名改称。

05月09日
台湾の行政院が中正紀念堂の名称を「台湾民主紀念館」に正名改称を決定。

10月25日
運転免許証問題で、台湾・外交部日本事務会が「台湾の人たちが中国大陸から来た人たち
と混同されないよう、日本政府が台湾の人たちの国籍欄には『台湾』と記載するよう改善
を求めていく」と表明。

【2008年・平成20年】

01月09日
学研トイズ販売の地球儀が中国政府の指示により、台湾を「台湾島」に、音声案内で「中
華人民共和国」としていることが発覚。翌日、抗議によって販売中止。

02月03日
地球儀問題に関連し、外務省のホームページが中華人民共和国の面積に台湾を含ませ、地
図帳が台湾を中国領とし、地理教育でも同様のことが教えられていることから、「『偽造
地図を追放せよ!』緊急国民集会」を開催。

05月20日
馬英九氏の総統就任式の同日、台湾総統府のホームページのタイトル「中華民国(台湾)
総統府」から台湾が消され「中華民国総統府」に変更。

05月30日
住民票問題で、東京都は昭和62年の通知が現状に即しておらず、正確ではないとの判断か
ら、住民基本台帳に「台湾」表記を認める通達を区市町村に送付。台湾政府は6月8日、
「対岸と明確な区別がつき、混乱が避けられ、東京都における僑民の利益が保障される」
として歓迎表明。

06月05日
台湾の外交部が「訪台」を「訪華」と書き換えるよう在外公館に指示。

06月06日
台湾・総統府が「駐台大使」という表現を「駐華大使」と改めるも、世論の反発を受け6月
10日のプレスリリースで「駐台大使館」の表現に復す。

07月01日
外務省中国課の名称が「中国・モンゴル課」に改名。

10月16日
外登証問題で、小田村四郎・日本李登輝友の会会長が森英介法相に「在日台湾人外登証の
国籍是正に関する要請書」を送達。

11月04日
外登証問題で、李元総統が「週刊朝日」で「日本の法務省は、台湾人は中国籍だと勝手に
規定してしまっている。政治指導者も判断を停止している」と批判。

【2009年・平成21年】

01月13日
台湾の立法院が台湾民主紀念館を中正紀念堂に戻すことを賛成多数で可決。

02月20日
外登証問題で日台若手議連が法務省、総務省、外務省の担当官を招いて勉強会を開催。小
田村会長らも招かれ、改正理由について説明。

03月06日
内閣提出法律案として「改正入管法案」(出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和
条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する等
の法律案)が衆参両院に提出。

07月08日
改正入管法が可決され、法律第79号として7月15日に公布。3年以内に実施の在留カードに
おける台湾出身者の「国籍・地域」表記は「中国」から「台湾」に。

08月09日
外登証問題が解決したことで「台湾正名運動祝賀会」を開催。李登輝元総統からも祝辞。

【2012年・平成24年】
07月09日
在留カードが交付。同時に外国人住民票も交付され、この「国籍・地域」欄でも台湾出身
者は「台湾」と表記。

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