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昨日の8月2日、台風九号が台湾全域に甚大な被害をもたらした。一日で500ミリ―にも達する雨量が各地で土石流を発生させ、東海岸の道路と鉄道を寸断させた。


 台湾も日本と同様、台風や地震などの天災が頻繁に起きる。天災が様々な悲劇をもたらすのだが、台湾人も日本人も天災で挫けることはなかった。台湾人はこうした天災を経験しながら暮らしてきた。もちろん、これは台湾人のみならず、すべての民族がこうした強靭な一面があるからこそ、今も生き残っている。


 しかし人災ならば話は別である。人間は自分が作りだした災いには弱いのだ。馬英九政権は林益世の汚職事件で泥まみれになっている。国民の注意を逸らそうとしているのか検察当局は7月31日、数年前のハーブ園建設に関わる汚職の疑惑を理由に、400名もの捜査員が嘉義県庁を家宅捜査し、民進党籍の嘉義県張花冠知事と陳明文前知事を連行した。


 台湾の緑陣営からすれば、これは明らかに政治力によっての捜査であり、国民党の報復でしかない。司法を使った政治報復は国民党の常套手段であるが、そのような政党に政権を渡したのが台湾人なのだ。馬英九政権は土石流よりも悲惨な災難を台湾人にもたらしているが、台湾人は自ら作った災いにどうすればよいのかと彷徨いつづけている。

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