ノーベル平和賞台湾の招待要請を拒否 ノルウェー当局、中国の反発回避か

2010.12.10 産経新聞


http://sankei.jp.msn.com/world/china/101209/chn1012092101003-n1.htm
 
【オスロ=矢板明夫】ノルウェーの首都オスロで10日に行われる中国の民主活動家、劉暁波氏へのノーベル平和賞授賞式をめぐり、在ノルウェーの台北代表処(大使館に相当)が出席希望の意向を明らかにしたにもかかわらず、招待されなかったことが9日までにわかった。劉氏への授賞決定で中国から大きな圧力を受けたノルウェー側に中国との対立を深めたくないとの思惑があったためとみられるが、国際社会における台湾の特別な立場が改めて浮き彫りとなった。

 劉暁波氏への授賞が10月初めに発表された直後、台湾の馬英九総統は「これは劉暁波さん本人だけの特別な栄誉ではなく、中国大陸の人権の発展ないしは全世界の華人社会にとって重大な歴史的意義があると考える」とのコメントを発表し、「劉氏の一日も早い釈放」を中国当局に呼びかけた。

 台湾の外交関係者によると、オスロの台湾代表処はこの発言を受けてノルウェー当局に「今年の授賞式にぜひ参加したい」と申し入れた。人権を尊重し、民主化を推進する台湾の姿勢を世界中にアピールし、中国との差別化を図りたいとの狙いがあったが、ノルウェー側は検討の結果、招待しないことに決めたという。

平和賞の発表後、中国は訪中したノルウェーの閣僚と政府高官との会談を取りやめたり、両国間のFTA(自由貿易協定)の交渉を無期限に延期したりするなど次々と「制裁措置」を発表。授賞式に台湾を招待すれば中国からさらなる反発が予想されるため、ノルウェー側が慎重になったとみられるが、ノーベル賞委員会関係者は「過去の授賞式でも台湾を招待しておらず、今回は前例に従った」と説明している。

 ノルウェー在住の台湾人は約300人と同国に在住する中国人の約30分の1にしかすぎないが、ほとんどの台湾人が中国当局のノーベル賞をめぐる一連の対応に反感を覚えているという。特にノーベル賞に対抗して設立された中国の「孔子平和賞」に台湾の連戦・中国国民党名誉主席が選ばれたことについて「台湾を利用するな」といった反発の声が出ている。

○ノーベル平和賞に対抗 “茶番劇”孔子平和賞に失笑 本家同様、受賞者不在

2010.12.10 産経新聞


http://sankei.jp.msn.com/world/china/101209/chn1012092107004-n1.htm

「孔子平和賞」受賞となった台湾の連戦元副総統の代理として、トロフィーを受け取る少女(左)=9日午後、北京市内(共同)

 【北京=川越一】中国の民主活動家、劉暁波氏に対するノーベル平和賞授賞に対抗して、急遽(きゅうきょ)設立された「孔子平和賞」の授賞式が9日、北京市内で行われた。初代受賞者に選ばれた台湾の連戦・中国国民党名誉主席は受賞を拒絶。本家と同様、受賞者不在というおまけがついた“茶番劇”に、報道陣から失笑がもれる一幕もあった。

 「孔子平和賞は長い間準備してきたものだ」「連戦氏は当代の平和に貢献した」「(劉暁波の)3文字とは関係ない」-。選評委員会の譚長流委員長(北京師範大博士)が顔を真っ赤にして訴えた。

 孔子が論語の中で述べた「和をもって貴しとなす」の心を設立理由に挙げ、ノーベル平和賞への対抗措置であることを否定。だが、パンフレットには「ノーベル平和賞は世界中の人々に開放され、少数派の推薦で決めてはならない。同賞は多数派とは言い難く、不公平さ、誤謬(ごびゅう)は免れない」と明記されている。

 インターネットを通じた投票に基づいて選出したといいながら、サイト名や調査期間の公表を拒否。台湾メディアが連戦氏の受賞拒否についてただすと、「拒絶などできない…」としどろもどろに。同氏に正式に通知すらしていないことも明らかになり、最後は無関係の少女にトロフィーを渡してお茶を濁した。

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