■読売が中国地図の修正を以って抗議に「回答」

ウイグル人の騒擾事件(その実相はウイグル人虐殺事件)を受け、国内メディア各社は東トルキスタン(中国・新疆ウイグル自治区)の情勢解説に乗り出したが、そこで使われる中国地図に問題が発生している。

読売新聞は七月八日朝刊で「漢族と少数民族の分布図」なる中国地図を掲載したが、そこには台湾の島までくっつけられ、漢族居住地域を示す色まで塗られていた。


【参考】「誤報」訂正を拒否した読売は中国統制下―ウイグル報道での「台湾入り中国地図」が意味するもの (付:抗議呼びかけ)
http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-813.html 

これについて読売新聞国際部は「これは中国地図ではない。民族分布図だ」と抗弁したが、誰の目から見ても「台湾入り中国地図」だ。これを見て「台湾を中国の一部」と誤解する読者がいたら、国際部はどう責任を取るのかと質問したが、回答を拒否された。

ところが実は「回答」があったのだ。

読者センターによると二日後の十日朝刊に載った「漢族と少数民族の主要居住地域」と言う中国地図は八日の地図とほぼ同じデザインだが、台湾が省かれている。

読売210710
7月8日に掲載された地図。台湾が消えている

読者センターからは「これが回答だと受け取ってほしい」と言われた。

■読売には足元にも及ばないNHKの巧妙さ

中国の抗議ばかりを恐れ、あえて誤報地図を製作、掲載した読売新聞はどこの国のメディアだろうか。予想外にも読者から抗議を受け、慌てて台湾を外したものと思われる。

ではもし抗議がなければどうだっただろう。また、八日の中国地図で誤認識を抱かされた全読者が、これで救済されたとも考えられない。

このようにメディアにとり中国の抗議は怖い。しかし視聴者の抗議も厄介だ。だが読売よりも狡猾、巧妙なのがNHKだ。

この公共放送局は新スタイルの「台湾入り中国地図」を編み出したようだ。

十一日放送の「週刊こどもニュース」は、ウイグル情勢の解説で用いた地図で、中国をピンクで描き、北朝鮮、韓国、モンゴル、ベトナム、ラオス、タイなどの周辺国を黄色で塗っているが、台湾だけはオレンジ色。中国とは区別されてはいるものの、他の周辺国とも区別されている。

子供ニュース210711
7月11日放送の「週刊こどもニュース」で用いられた中国地図。台湾はわざ
わざ中国周辺諸国とは異なる色付け

■「中国に配慮」と視聴者コールセンター

これを一見すれば台湾は、中国の領土、もしくは属領、勢力範囲、あるいは将来領土になるべき地域と思えてしまう。あるいはそこまで考えなくても、「台湾は他の周辺国とは異なり、中国とは特殊な関係がある」ように刷り込まれそうだ。

これなら中国も文句は言うまい。視聴者にも「台湾を中国とは区別している」と言い訳できる。これまでの媚中メディアとの数々の交渉で、彼らの企むことなどすぐにわかるのだ。

それで私は十六日、NHK視聴者コールセンターにその理由を求めたところ、そこのスーパーバイザー(責任者)も私と同じ見解だった。こう言った。

―――それは中国との「関係」を示したものだろう。「領土」ではなく「関係」の問題だ。

そこで、どのような「関係」を示し、視聴者である子供たちに伝えようとしたのかと聞くと、逆に「台湾を黄色にして問題はありませんか」と聞いてきた。もちろん私は「問題などない」と答えると、「あなたの立場では問題なくても、世界はどうか」と。

「世界も問題ない。ただ中国だけは激怒するだろう」と話すと、待ってましたとばかりに「そうでしょう。激怒する中国に配慮しなければならないのだ」と言うのだ。

そこで私も「そう思う。それが重大問題なのだ」と。それで責任者もようやく事の深刻さに気づいたようだった。

■中国のためにする子供たちへの印象操作

もっとも「中国への配慮」は事実だとしても、現段階ではこの責任者の見方にすぎない。そこで番組担当者に「なぜ台湾だけをオレンジ色に」との質問を伝達するよう求めた。

「お客様の満足の行く回答は得られないかも知れない」と戸惑いながらも承諾した責任者。悪意を見破られた番組側が質問を正面から受け止めることはないと予感しているのだ。

おそらく今後番組から回答が来ても、「台湾を中国の一部とはしていない。色分けしている」との詭弁止まりだろう。だが「なぜ台湾を他の周辺国と色分けしたのか」が明らかにされない限り、全国の子供たちに対する「週間こどもニュース」は「台湾は中国の一部なのだ」とする印象操作を行ったと考えざるを得ないだろう。

回答拒否の場合も同様だ。すべては印象操作の悪行隠蔽のためと受け取らざるを得ないのである。

■これまでもあったNHK「週刊こどもニュースの大罪」の数々

台湾研究フォーラムの古市利雄事務局長によると、これまでも「週刊こどもニュース」は〇八年五月十七日放送の「なぜ?中国の大地震」で、台湾を中国周辺国とは別の色(中国と同じ色か)で描く地図を映し出している。

週間子供ニュース〇八年五月十七日「なぜ?中国の大地震」
08年5月17日の「週刊こどもニュース」。台湾
が赤っぽく見え、他の周辺国の緑と区別

また〇〇年三月十九日放送の「台湾の総統選挙とは」では、「太平洋戦争で日本が負けると、日本は台湾を『中華民国』に返しました」と解説した。これは中国が主張する「日本の中国への台湾返還」と言うウソの政治宣伝を事実として伝えたものだ。

ちなみにそこでは、次のような解説も。中国の立場に立ち、台湾が中国から独立した存在であることを否定している。

ーーー台湾について中国は、「台湾は国の一部である」と考えていますが、去年、いまの総統の李登輝さんが、「中国と台湾は、特殊は国と国との関係」という言い方をして、台湾が独立した国であるような言い方をしたことに怒っています。新しく総統に選ばれた陳水扁さんが、台湾をどうしようとしているのか、中国をはじめ、回りの国々が、注目しているのです。

視聴者が子供なら抗議はあるまいと高を括っているのか。情報を無批判に鵜呑みする以外にない子供たちに対する悪質極まりない「NHKの大罪」としか言いようがない。

■日共の援護も受けるNHKの悪意は本物

なお視聴者センターの責任者は、「なぜ放送から何日も経ってから電話をしたのか」と聞いてきた。「JAPANデビュー」ときのように、抗議の呼びかけが行われているのかと不安になったのだろう。

NHKは「大罪」(中国の政治宣伝工作への加担)を続ける限り、国民の監視を抗議を受け続けなければならないと認識するべきだ。

NHK経営委員会の小丸成洋委員長は十四日の定例記者会見で、なおも「JAPANデビュー」第一回放送は「事実を曲げたことは一切ないと執行部から説明を受けている」と説明したとか。日本共産党機関紙「赤旗」はこれを報じるに、NHKが「自民党国会議員や右派勢力から攻撃されている」と前置きしているが、日共はどうも国民とNHKとの戦いで、NHKの側に立って参戦しているつもりらしい。

日共の援護を受けるほどだから、NHKの悪意は本物なのだ。中国のためなら印象操作など、どうと言うことではないに違いない。

「台湾は中国の一部」との印象操作を止めろ!
有害なるNHK「週刊こどもニュース」に抗議を!
視聴者コールセンター 0570-066066
番組への質問と感想 
https://www.nhk.or.jp/kdns/send.html

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